■共産主義・社会主義とは? わかりやすく簡単に解説
共産主義・社会主義について簡単に説明します。
共産主義・社会主義とは、政治思想の一つで、その理想を簡単に言ってしまえば、国民が働いて得られた富(お金や財産)を国民全員で共有し、分配する経済のしくみを構築するということになります。
現在の日本における経済の考え方は「資本主義」と呼ばれます。
資本主義とは、自分で働いて得られた収入は自分のものという、いたって普通の考え方です。
この制度では当然、頑張って多く働いた人がお金持ちになることができるともいえますが、お金儲けの才能が有る人や親が金持ちだったために優遇される人、強欲な人などに富が集中してしまい、そうでない人々との間に貧富の差(格差)が生じることになってしまうしくみであるともいえるのです。
共産主義・社会主義の国では、それらの格差をなくすことをモットーに、自分で働いて得られた収入は基本的に「すべて国のもの」と考えます。そして、国がそれら国民が働くことで得られた収入を集めて、それを再度全国民に平等に配分するという形態を取ります。(この経済のあり方を「計画経済」といいます)
そうすることで国民の貧富の差をなくし、平等な社会を実現しようというのが共産主義・社会主義の基本的な理念になります。
しかし、そのような考え方は机上の空論、絵空事であり、実際に導入した国々で、ことごとくうまくいきませんでした。
なぜなら、その考え方で経済を運営すると、真面目によく働いた人も、不真面目に働くことを放棄した人もほとんど同じ収入金額ということになり、国民の働く意欲がなくなり、経済が立ち行かなくなってしまったからです。
それから、共産主義・社会主義政権は基本的に独裁政権であり、選挙を行わないため、国民には参政権さえ与えられませんでした。
その結果、国民はほぼ全員が貧しく、権力にしがみついた一部の政治家やそれらの関係者ばかりが金持ちになるという、「平等な社会の実現」どころか、逆にこの上ない不平等が生じることになったのです。
どこの国でも共産主義・社会主義を導入した国々ではそのような事態を招いたため、世界中で共産主義・社会主義国は破綻を来たし、特に、1991年に、世界の共産主義・社会主義をリードしてきた「ソビエト連邦」が崩壊したことによって、共産主義・社会主義の失敗が決定的となったのでした。
■「革命」とは何なのか?
また、共産主義・社会主義を語る上で見過ごせないもの一つに「共産主義・社会主義革命」が上げられます。
上で述べたような社会のしくみを実現するためには、それまでの社会のしくみを大きく変える必要があります。
例えば、国民の貧富の差をなくすためには、すでに所有している財産はすべて没収し、国のものにしなければならないわけです。
つまり、それまでのしくみをすべて強引にリセットする行為、それが「革命」です。
当然、そのような大きな変革を望まない人がかならず多く居ますので、「革命」には必ず大きな反発があります。
そのため、共産主義・社会主義革命が行われると、あたりまえのように数十万人〜数百万人、場合によっては数千万人規模の死者がでるほどの虐殺が行われます。
フランスのル・フィガロ紙の、1978年11月18日発表の推計によると、共産主義・社会主義革命や共産主義体制下におこなわれた虐殺の犠牲者数は、全世界の総計が1億5000万人にも及ぶとのことです。
国や地域別の内訳は次のとおりとなっています。
ソ連:約7,000万人
中国:約6,700万人
カンボジア:約300万人
その他(東欧・中南米ほか):約1,000万人
第二次世界大戦での世界中の犠牲者数がおよそ6,000万人、そのうち日本人が約300万人、広島の原爆投下による死者数が約15万人といいますから、共産主義・社会主義革命では世界大戦2〜3回分に匹敵する規模の犠牲者が出たことになります。
日本共産党の上田耕一郎副委員長(当時)が、16万人の死者を出した昭和54年のイラン革命に際しコメントを発表し、「(この革命は)非平和的に行われた革命でなかった(平和的に行われた革命だった)」と発言したことは有名ですが、共産主義・社会主義者の感覚がどれほど虐殺に寛容なのかが分かるというものです。
ちなみに、日本共産党とは、上記の虐殺(革命)を世界中で指導した「世界共産党(コミンテルン)」の日本支部として1922年に設立した政党です。
◆共産主義者・社会主義者(いわゆる左翼)の特徴
上記のような残虐行為の結果、世界中で白眼視されることとなった共産主義者たちですが、その大きな特徴のひとつに「自分たちが正しい」と極度に思い込んでいる点があげられます。
上にも書きましたが、そもそも共産主義という考え方は、財産を共有することで貧富の差をなくし、人々が平等に富を分け合うという理想の実現を目指しています。
その美しい理想に共感する人々というのは、その思想の「人道的な正しさ」に魅力を感じ、その「人道的な正しさ」を信じる気持ちが強くあるわけです。
そのため、彼らはある種、宗教的なまでに「自分たちは人道的に正しい」と信じ込む傾向にあります。
つまるところ、上述のような虐殺行為も、「自分たちの理想が正しい」という強い思いこみから、その「自分たちの理想の実現」を阻止する側の人間を短絡的に「悪」だとみなすことが可能であり、そのような「正義感」によって実行に移されたものなのです。
そのように自分たちの行いが正しいと極度に信じなければ、なかなか何十万人も何百万人もの人間を殺めることはできないでしょうし、そのように自己の正しさを信じる気持ちを源泉に行われる暴力行為は、歯止めをかけようとすればするほど逆に勢いを増す傾向にあるため、そのような残虐行為がエスカレートしてしまうという見方もできるでしょう。
つまり、「自分たちは正しい」という強い思い込みが、共産主義者(いわゆる左翼の人々)を暴走させる結果につながってきたというわけです。
もちろん、大量の虐殺行為に及ぶことは歴史的に見てもごく稀です。
しかし、そのような「自分たちは正しい」という思い込みの表れた彼らの言動は他にも我々の身の回りに多く存在しています。
その代表的なものは、情報操作や、情報の捏造、改竄、隠蔽などです。
彼らは、自分たちの理想が正しいと思い込んでいるため、自分たちが間違っているという情報を直視ようとは決してしませんし、直視できません。
そのため、平気で情報を隠蔽し、改竄し、自分たちが正しいということを証明するための情報を捏造します。
そして、そういったあからさまな不正行為であっても、自分たちが正しいと思い込んでいるため「人道的に正しい社会の実現」のために行われたものであるという認識から、その捏造や隠蔽、改竄が、いかに悪質であるかということを顧みることがないのです。
日本のメディアに、捏造や改竄をよく行う機関が存在しますが、現在の日本にも、まだまだ共産主義に傾倒したいわゆる左翼の人々は多く存在してます。
そのような人々や、そのような人々の発信する情報に接するときは、以上のような予備知識を持っておくことをお勧めします。
◆日本共産党と社会党(現社民党)
日本にはかつて、日本の共産主義・社会主義化を目指した大きな政党としては、日本共産党と社会党(現社民党)がありました。(日本共産党はいまだに日本の共産主義化を目指しています)
この2つの政党は、ともに同じ共産主義・社会主義国家を目指した政党ですが、基本的に協力関係にはなく、むしろ対立関係にさえありました。
それがなぜなのかを簡単にご説明します。
簡単に申しますと、この2つの政党は「革命」に対する考え方が決定的に違いました。
「革命」には2つの革命があり、一つは上記のような大量の死者を出すことで行われる「暴力革命」、もうひとつは、そのような暴力革命に否定的な立場から、国会で過半数の議席を獲得すること(議会主義に則ること)で共産主義・社会主義社会の実現をめ目指す「平和革命」です。
そして、共産党は、共産主義・社会主義政党の伝統はとしての「暴力革命路線」を、社会党(現社民党)はわりと新しい思想のもと「平和革命路線」を採った政党だったため、お互いが協力関係にはなれず、むしろ対立関係にあったというわけです。
ちなみに、現在の社民党(旧社会党)はソビエト連邦崩壊とほぼ同時に「革命」の実現さえ放棄していますが、日本共産党はいまだに暴力革命路線を堅持しています。
そのため、日本共産党はいまだに公安警察の監視下に置かれています。