【参議院選挙2016 情勢予想】改憲勢力は2/3に届くのか?他 新聞各紙の最新情勢判断から わかりやすく予想しています



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【参議院選挙2016 予想】改憲勢力は2/3に届くのか?






■参議院選挙2016・概要


参議院選挙が、7月10日投開票で行われています。

参議院の議席は全部で242議席ありますが、2016年の選挙ではその半数の、121議席が改選となります。議席保有政党の内訳は以下のとおりになります。
(平成28年4月13日現在)

会派名 2016年に改選 2019年に改選 合 計
自民党 50 65 115
民進党 43 17 60
公明党 9 11 20
日本共産党 3 8 11
おおさか維新の会 2 5 7
日本を元気にする会 2 2 4
社民党 2 1 3
日本のこころを大切にする党 0 3 3
生活の党と山本太郎となかまたち 2 1 3
新党改革 1 0 1
無所属・その他 7 8 15
合 計 121議席 121議席 242議席


2016年に改選される議席の内訳を見ますと、民進党の議席数が自民党に肩を並べるほど多いことがわかります。

これは、前身の民主党がこの議席を獲得した選挙が、政権交代の年(2009年)の翌年に行われたものであったことから、政権交代ブームがまだ覚めやらない時期に行われたことを表しています。

また、自民党と公明党の議席を合計しても59議席ですから、121議席の過半数(61議席)にわずかに満たないこともわかります。

以上のことから、2016年の参院選は、政権の失敗で国民の信を失った旧民主党=民進党が、この43議席をどれだけ守れるのか、また、他党にとってはその民進党から離れる票を奪い、議席をどれだけ増やすことができるのかという戦いであるとの見方が出来ます。




■新聞各紙の情勢判断・予想

<参院選>10日投開票 改憲勢力、3分の2うかがう勢い
毎日新聞 7月8日(金)

 第24回参院選は10日、投開票される。毎日新聞などの情勢調査によると、自民、公明両党は序盤から堅調を維持。おおさか維新の会などを加えた改憲勢力は、非改選を含めて、参院で憲法改正の発議に必要な3分の2(162議席)をうかがう勢いだ。改選数1の「1人区」で協力する民進、共産など野党4党は最終盤での巻き返しを図る。(以下略)


「自民1強」都市部でも 朝日新聞・参院選情勢調査
朝日新聞デジタル 7月7日(木)

 朝日新聞社が行った参院選の終盤情勢調査では、自民、公明、おおさか維新、日本のこころの「改憲4党」で、非改選議席を含め3分の2に迫る勢いだ。野党は一部の1人区で健闘しているが、改憲4党で3分の2に迫る勢いなのはなぜか。自民は地方だけでなく、都市部にも支持基盤を広げる。民進、共産などの野党はアベノミクス批判や改憲阻止の訴えを強めるが、そうした訴えは必ずしも野党支持には結び付いていない。
(以下略)


与党、改選過半数へ堅調…民進は苦戦続く
読売新聞 7月5日(火)

 読売新聞社は10日の参院選投開票日を前に、3~5日の3日間、全国世論調査を実施し、総支局の取材結果も加えて選挙戦終盤の情勢を探った。

 自民、公明両党は、安倍首相が勝敗ラインに設定した改選定数(121)の過半数(61)を上回る勢いを維持している。民進党は苦戦が続いている。民進、共産など野党4党が候補者を一本化した改選定数1の1人区(32選挙区)では、統一候補が12選挙区で接戦に持ち込んでいる。

 選挙区選で3割、比例選で2割の有権者が、投票する候補者や政党を挙げておらず、情勢はなお流動的な要素もある。(以下略)


参院選・終盤情勢 改憲勢力「3分の2」勢い 自民は単独過半数
産経新聞 7月5日(火)

 産経新聞社は4日、FNN(フジニュースネットワーク)と合同で実施した電話による情勢調査(1~3日)に全国総支局の取材を加味し、10日投開票の参院選の終盤情勢を探った。自民、公明両党などの「改憲勢力」が憲法改正の国会発議に必要な3分の2(非改選と合わせて162議席)を確保する勢い。ただ、全国32の改選1人区の結果が大きく影響するため、予断を許さない状況だ。

 自公の与党で3分の2議席を確保するには、改選121議席のうち86議席の確保が必要だ。ただ、改憲に前向きなおおさか維新や日本のこころを大切にする党を加えれば78議席となる。選挙戦は、改選1人区のうち、青森や福島、三重など8選挙区で民進、共産両党など野党の統一候補と自民党候補が接戦を展開しており、3分の2をめぐる攻防は激しくなっている。(以下略)

自民、単独過半数うかがう=改憲勢力3分の2微妙―参院選終盤情勢【16参院選】
時事通信 7月3日(日)

 10日投開票の参院選について、時事通信は全国の支社・総支局の取材や世論調査などの情報を基に終盤情勢を探った。自民党は改選50議席から上積みし、公明党と合わせ改選過半数(61)の勢いで、27年ぶりの単独過半数(57)もうかがう。与党におおさか維新の会と日本のこころを大切にする党を加えた「改憲勢力」で、改憲発議に必要な3分の2(162)の確保は微妙だ。改選45議席の民進党は30議席程度に低迷。共産、おおさか両党は改選議席を大幅に増やしそうだ。
 ただ、世論調査で3割程度が態度未定と答えており、投票日に向けて流動的な要素が残る。(以下略)


新聞各紙の序盤〜終盤情勢・予想は以上のようになっています。

のきなみ自民公明両党の過半数と、日本のこころ、おおさか維新をあわせた改憲勢力が2/3に迫る勢いであることを伝えています。

また、その報を受けて与党の気が緩まないように、との認識を与党関係者が持ちはじめているという報道もなされています。

以上のように与党は議席を伸ばしそうな情勢ですが、野党に目を転じますと、民進党が議席を減らす代わりに共産党は議席が倍増するという見方がされています。

もしこの通りに議席が異動することになれば、この選挙での野党共闘は、ただ民進党が共産党の口車に乗せられて議席を奪うためのものだったということになるのではないでしょうか。

今後も共闘を続けるとなると、野党第一党の座を共産党に奪われることになるかもしれませんが、共闘を辞めたところで「方針のブレ」と国民の目に映ることは必至なので、さらに党存続の危機ということになると思われます。


また、争点の一つとして目される「憲法改正」について、次のような記事も出ています。

憲法改正、自公に溝=4野党「9条堅持」で足並み【16参院選】
時事通信 6月25日(土)

 参院選は、憲法改正に前向きな勢力が、国会発議に必要な3分の2以上の議席を獲得できるかが焦点だ。与党の公約をみると、自民党が「憲法改正を目指す」と明記する一方、公明党は改憲に触れていない。これに対し、民進、共産など4野党は「3分の2」阻止に向け「9条堅持」で足並みをそろえる。(以下略)


以上のように公明党は「憲法改正」については前向きでないため、自民党は公明党との選挙協力体制維持のためにも、また、政権内で改憲のめどが立っていないことからも、「憲法改正」を大々的に争点化出来ない状況にあります。


野党およびマスコミは、自民党が公約に「改憲」を掲げているにもかかわらず、自民党の候補者が街宣活動で「改憲」について触れないことを批判していますが、そもそも政権与党内で意見が分かれていることから触れられないのではないかと思われます。


また、この「公明党が憲法改正に前向きでない」という事実は、上で引用した新聞各紙の情勢判断を素直に信じるわけにはいかないことも示しているように思えます。

各紙の情勢判断では、どこも「改憲勢力」に公明党を含めているからです。(朝日新聞などは「自民、公明両党など憲法改正に前向きな改憲4党」とあからさまに書いています)

時事通信が報じているように、公明党は改憲する気がないと言っても言い過ぎではありません。

2015年の安保法制成立時にも支持母体である創価学会員から反対の声が上がり、その反対を押し切った経緯がありますので、憲法改正にも何らかの圧力がかかっていても不思議ではありません。

ですので、大手新聞各紙の情勢判断はいずれも誤りで、現段階では改憲勢力は2/3には届かない見通しだと言って差し支えないと思われます。時事通信はダブルスタンダードですね。

また、その他にも自民党内にも改憲に後ろ向きな議員や候補者がいる点も見過ごせませんし、反対に、野党民進党内にも憲法改正に前向きな議員・候補者がいることにも注意する必要があるでしょう。

<自民・高村氏>「憲法9条が改正される可能性はゼロだ」
毎日新聞 7月5日(火)

 自民党の高村正彦副総裁は5日のBSフジの番組で、参院選後の憲法改正論議で9条改正が浮上する可能性はないとの認識を示した。「改憲勢力が(発議に必要な参院の3分の2以上の議席を)取ったとしても、10年先、何年か先は別だが、憲法9条が改正される可能性はゼロだ」と述べた。 


それからこんな記事もあります。

防衛費は「人殺す予算」=共産・藤野氏
時事通信 6月26日(日)

 共産党の藤野保史政策委員長は各党の政策責任者が討論した26日のNHK番組で、防衛費について「人を殺すための予算」と発言した。

 自民党などが反発し、発言の撤回を求めたが、藤野氏は応じなかった。

 藤野氏は、国民生活をめぐる議論の中で「(2016年度予算で)軍事費は戦後初めて5兆円を超えた。人を殺すための予算ではなく、人を支え育てる予算を優先する改革が必要だ」と述べた。これに対し、自民党の稲田朋美政調会長は「言い過ぎだ」と反論。公明党の石田祝稔政調会長らは発言の取り消しを求めた。

この酷い発言は野党の勢いを大きく削ぐものと思われます。

ネット上でも反響は大きく、「防衛費がなかったらどれだけ人命が危険にさらされるんだ」
「自衛隊は過去の震災でどれだけ人命を救ってきたと思ってるんだ」「こういう感覚の人たちが憲法9条改正に反対したり安保法制を廃止しようとしているのか」などといった憤りや失望が噴出しています。

実際に7月に発表になった新聞各紙の各政党支持率で、共産党の支持率は激減しています。

このような発言の常軌を逸したおかしさは、この選挙ではじめて選挙に参加している18歳19歳の有権者にも容易にわかることでしょう。

その後、藤野氏はこの発言を取り消していますが、そもそも安保法制を「戦争法」などと呼ぶ感覚は、「防衛予算=人を殺すための予算」「自衛隊=殺人集団」などというとんでもない認識が前提にあるということを国民は知っておく必要があると思います。

日本共産党とはどんな党なのか?



■予想・展望

そもそも民進党、共産党その他による野党共闘は、「安保法制の廃止」をかかげたものでした。

が、国民の関心がほとんど「安保法制にの廃止」にはなく、「経済」や「社会保障」に向かっており、与党から票を奪うには不十分と判断したことから、今度は野党は「憲法改正」を対立軸を持ち出し、世論に訴えようとして政府自民党批判を行うようになってきました。


しかし、国民が求めているのは「政府批判」ではなく、経済や社会保障をはじめとする具体的な政策であり、「政策を選択する選挙」です。

旧民主党に政権交代させて失敗した経験から、国民の多くは単なる政府批判によって票を獲得しようとする野党の姿勢には、逆に嫌悪感を覚えるようになっています。

それを理解せず、いまだに政府批判ばかりを展開している野党勢力に今後、票が集まるようには思えません。

「自公政権はダメだ」と言われて、「その通りだ」と思う国民は多くいるでしょうが、それだけで、「じゃあ民進党や共産党にやらせてみよう」とは誰も思わないと言うことです。

また、「野党共闘」もその点でマイナスに働いているように思えます。

民進党と共産党は、共闘していながら経済政策や憲法に対する考え方がまったく違いますし、共産党は民進党との連立に前向きですが、民進党は共産党との連立には後ろ向きで、党内に拒絶感がまだあります。

そのような「野党共闘」に期待をかけている国民は、ほとんどいないというのが事実かと思われます。


また、ヨーロッパではイギリスが国民投票によってEUからの離脱を決定してしまいました。

これにより、今後日本の経済環境も大きな危機に直面することが予想され、既に円高や株安という影響がはっきり表れており、政府は対応に追われています。

ヨーロッパでのこの大きなできごとは選挙戦にどう影響するのでしょうか。

これによって政府自民党に批判が集まるということはまずないでしょう。

むしろ、「経済」がより際立った争点となり、経済の舵取りが出来ると思われるところに票が集まると思われます。

そうなりますと、上記のように経済政策でまったく一致を見ておらず、政権担当能力もない民進党と共産党を中心とした野党に期待するのではなく、政府自民党になんとかさせようとする意識が働くのではないでしょうか。

よって、野党は今後よりいっそうの苦戦を強いられると予想します。

また、共産党議員の上記「人を殺す費用」発言でへの反発は大きく、とくに自衛隊の有り難みをよく知る東日本大震災や熊本地震の被災者からの怒りの声が上がっていることから、共産党のみならず選挙協力中の民進党への票もそれなりに逃げるものと思われます。

その票が、与党へはなかなか流れにくいことから考えますと、他の野党へ、とくにおおさか維新へ流れ、議席を伸ばすのではないかと予想します。



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