加計学園問題とは? わかりやすく動画を交えて解説!

加計学園問題とは?

加計学園問題とは何なのかをこのページではわかりやすく解説します。

まず、加計学園とは、加計孝太郎氏という人物が理事長を務める、岡山県の学校法人です。

そして、この加計学園の経営する岡山理科大学が、国家戦略特区という制度を利用して愛媛県今治市に獣医学部を新設することになりました。

が、ここで民進党を中心とした野党は、この加計孝太郎氏という人物が、安倍総理との古い友人であることに着目し、「安倍総理が友人を不当に優遇したのではないか」という疑問を抱き、その事実をガンガン追求することで政権を打倒できる(政局を変えることができる)と踏みました。

そして国会で、野党による徹底的な安倍政権への追及が始った、というのがこの問題の発端でした。

そしてさらに、そこに本来中立的な報道をしなければならないTVや新聞等・マスコミが、あからさまに野党側の視点で安倍政権批判を展開し、さらに加熱していった、というのがこの加計学園問題の概要になります。

ただし、そのように加熱するに至ったのは、安倍政権側の対応のマズさもあったことは否めません。

つまり、要約すると、

●野党が政策論争ではなく、安倍総理のスキャンダルを国会で取り上げ、政権を倒そうとした

●マスコミが野党に加勢した報道を連日流したことでさらに加熱していった

●これらの追求に対する安倍政権側の対応がマズかった

ということになります。

では、もう少し具体的に見ていきましょう。

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加計学園問題以前の前提について

この問題を詳しく見て行く前に、前提を確認したいと思います。

まず、この問題で注目を集めている「獣医学部の新設」というものの裏側に隠れている事実についてです。

実を言うと、「獣医学部」は2017年時点で、50年以上も国内に新設されていませんでした。これは、他の学部と比べて、ズバ抜けて長いあいだ新設されていない状況にありました。

なぜこのような状況にあったのか?というと、それは、岩盤規制というものが存在していたからです。

岩盤規制とは、わかりやすくいうとこういうことです。

例えば獣医学部であれば、獣医学部が新設されると困る人たち(獣医師が増えると困る人たちなど)が文部科学省や政治家に働きかけて、獣医学部を新たに新設しないよう(自分たちの利権を奪われないよう)にと作られた強固な規制です。

このような岩盤規制は他にいくつも例があり、類似した規制では、大学の医学部の新設にもありました。

こちらは、2015年に千葉県成田市に新たに大学の医学部が新設されましたが、これが実に38年ぶりのことでした。

このように、ある特定の組織や職種の利権を守るために「岩盤規制」というものがあらゆる分野に存在していて、そのような組織から各省庁や政治家に対して規制を作るように働きかけが行われている、というのが前提になります。

「獣医学部の新設」というキーワードには、裏にそのような事実があるわけです。

そして、この前提を踏まえることで、前述した「国家戦略特区」という制度の意味が分かってきます。

つまり、国家戦略特区とは、そのような岩盤規制を、政府が主導で撤廃するための制度なのです。

ですから、当然そのように政府が主導で動けば、利権に関与している人々は猛反発します。

その「猛反発」が、加計学園問題をより大きな問題であるかのようにイメージを増幅させる原動力だと言うわけです。

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ちなみに、国会で安倍総理を追求している国会議員に、過去に獣医師会から献金を受けているなど、「利権に関与している」と思われても仕方ない議員が複数含まれています。

例えば、加計学園問題で政権批判の急先鋒だった、希望の党(元民進党)の玉木雄一郎氏は、2012年12月7日に獣医師連盟から100万円の献金を受け取っていますし、彼のお父さんと弟さんが何を隠そう獣医師です。

そのほか、以下の政治家たちが獣医師連盟(獣医師会傘下の政治団体)から献金を受けています。

・福山哲郎氏(立憲民主党)2010年8月31日に100万円を受領

・芝博一氏(民進党)2010年8月31日に100万円を受領

逢坂誠二氏(立憲民主党)2014年12月4日に10万円を受領

・石破茂氏(自民党)2012年12月27日に100万円を受領

ちなみに、石破茂氏は与党議員ですが、彼が安倍内閣で地方創世担当大臣であった2016年にいわゆる「石破4条件」という、獣医学部を新設する際の厳しい条件を付す閣議決定をしています。(獣医師会は公式サイトでこの4条件によって新設は不可能になったと絶賛しています)

前述の玉木氏らが、加計学園の獣医学部の新設が「石破4条件」を満たしていないことを持って安倍首相の思惑が働いていると、再三にわたって国会で主張しています。

前川喜平・元文科事務次官という人物

上に、利権に関与しているとおぼしき国会議員を挙げましたが、それとは別に、岩盤規制を守っている存在として文部科学省がありました。

文部科学省は、大学の学部設置の許認可権を握っているので、大学の学部新設に規制を設けたければ、まず無視できない存在なのです。

そしてここに、前川喜平氏という人物が登場します。

前川氏は、2017年1月まで、文部科学省のトップ(事務次官)でしたが、規則に反する天下り斡旋に関与したため辞任しました。

前川氏は、辞任前に加計学園の獣医学部新設問題に関わっていたことから、「政権の悪を暴く正義の味方」としてマスメディアに登場し、安倍政権に不利な証言を繰り返したことで問題は一気に加熱しました。

ちなみに、前川氏がメディアに登場する直前に、文科省の内部文書(いわゆる「総理のご意向」文書など)が朝日新聞にリークされましたが、それは前川氏がリークしたものであるかどうかは不明で、本人も曖昧な返答を繰り返しています。

また、上述のように、前川氏は献金を受けた際に報告する義務のある国会議員というわけではないので、獣医師会と露骨な癒着関係にあるのかどうかも定かではありません。

ただ、公官庁と外部組織の癒着関係の最たるものが「天下り」ですので、規則に反した天下りを斡旋して辞任にまで追い込まれた過去があるという状況から、なんらかの癒着関係にあるのではないかといわれています。これも状況証拠しかありませんが。

何ともモヤモヤした存在なのです。

そして、この前川氏が政権に不利な証言を次々行ったことで、状況が大きく動くことになります。

安倍政権の拙い対応

以上のように、前川氏がメディアに登場してから、安倍政権の支持率が下がりはじめました。

民進党、共産党をはじめとする野党は、前川喜平氏を国会に呼んで、事実関係を確かめようと何度も安倍首相に提案しましたが、安倍首相はこれを拒否し続け、国会を半ば強引に閉会してしまいました。

結果からすると、ここで拒否し続けずにさっさと国会に呼んでいればすんだ話だったかもしれませんでした。

これが安倍政権の大きな失敗でした。

この対応が、「政権のおごり」という批判に勢いを与えてしまって、その直後に行われた東京都議会選挙に自民党が惨敗、都議会ではあるものの議席を大きく減らしたことが影響して、安倍首相が態度を軟化せざるを得なくなりました。

そして、国会が閉会中に例外的に開かれる「閉会中審査」にて、とうとう前川喜平氏を呼んで話を聞く場が設けられました。

閉会中審査の攻防

衆参両議院で行われたこの閉会中審査でキーパーソンになったのは意外に前川喜平氏ではなく、前川氏とともに与党側からの指名で呼ばれた、加戸守行・前愛媛県知事でした。

結局のところ、前川喜平氏の証言は、ほぼすべてが前川氏の憶測の域を出ず、決定打になる証言が得られませんでした。が、加戸氏の証言は実に理路整然としていたのです。

その発言をまとめると以下のようになります。

●四国には獣医学部がなく、口蹄疫や鳥インフルエンザの脅威にさらされ続けていた

●そのため愛媛県知事時代に、10年間も獣医学部の新設を望んだが、岩盤規制に阻まれ門前払いを喰らい続けていた

●その間ずっと協力してくれたのが加計孝太郎氏、加計学園だった

●そんな折に安倍政権が国家戦略特区で岩盤規制をもろともせずに新設に動いてくれたが、加計氏と安倍首相が友人関係にあることなど知らなかった

●前川氏は安倍首相が「行政を歪めた」というが、むしろ前川氏らによって「歪められた行政が正された」のだ

以上のようになります。

この閉会中審査の一部始終をネットで見た人々は、おおむねこれで決着がついたものと思いました。

が、話はそれで終わりませんでした。

なぜなら、加戸氏の以上の証言を、TVや新聞がほとんど報じず、前川氏が憶測で発言している部分ばかりを報道したからです。

また、メディアの報道は、上述したような、この問題の「前提」となる「岩盤規制」の存在や、それらの癒着関係については一切触れません。

そのため、一部では、この問題をめぐって一番信用を失ったのはTVや新聞をはじめとするメディアであるという認識が広がりました。

報道されなかった加戸発言/閉会中審査全編ノーカット

以上のように、加計学園問題というのは、大まかにいえば、岩盤規制を撤廃しようとする側(安倍政権)と、それに抵抗する側(獣医師会の利権に関与する人々)の争いであるといえ、そこにさらに政権を何としてでも倒したい勢力(野党・マスコミ)が加わって政権のイメージを悪化させようとしている問題だということです。

もちろん、ここに書ききれなかった細かな論点もあります。が、いずれにしても、上述のような「岩盤規制」と利権の問題を前提に踏まえているかどうかで見え方が全く違ってくるのではないでしょうか。

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