イスラム国(IS・ISIS・ISIL)とは? 目的、人質の身代金の相場は? わかりやすく解説



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イスラム国(IS・ISIS・ISIL)とは? 目的、身代金の相場は? わかりやすく解説













「イスラム国(IS)」とは何なのか?

「イスラム国(IS/ISIS/ISIL*)」とはなんなのか、わかりやすく解説します。

*略称についての注記
 IS = Islamic State(イスラム国)
 ISIS = Islamic State in Iraq and al-Sham(イラクとシャームのイスラム国)
 ISIL = Islamic State in Iraq and the Levavt(イラクとレバントのイスラム国)

この組織についてわかりやすく説明しますと、アルカイダなどと同様の、大規模なイスラム教原理主義過激派(スンニ派)の武装組織です。

アブ・バクル・アル・バグダディという人物を指導者に、イラク北部とシリアに掛けて広い地域で、かなり強引な手法を用いて勢力を伸ばして来た過激派の勢力になります。


勢力拡大の経緯をわかりやすく説明しますと、イラク戦争でフセイン政権が倒れ、まだ新政府が軌道に乗っていないにもかかわらず米軍が撤退してしまった事で、政治的空白が生じ、その空白に乗じて勢力を拡大してきたものです。

オバマ大統領が、イラクから米軍を撤退させた功績が評価され、撤退直後にノーベル平和賞を受賞している事から、この受賞のために軍を撤退させたのではないかといわれていますが、この間にイラク北部で複雑な宗教対立や民族対立があり、そのどさくさに紛れてイスラム国が台頭したという次第なのです。

つまり、一言で言ってしまえば、「イスラム国」とは、アメリカのイラク統治失敗により生まれた勢力と見て差し支えないかと思われます。



「イスラム国」の目的は?

イスラム国の主だった目的は、イスラム圏の統一にあるといわれています。

これには、イスラム教最大派閥のシーア派に対する、少数派(スンニ派)による挑戦という側面がまずあり、また、欧米(キリスト教)社会への「聖戦(ジハード)」という側面もあります。

「イスラム国」勢力は、以下の地図のとおり、イラクとシリア一帯を中心に急速に拡大しています。

以下の地図の赤塗りの地域が事実上の支配地域、ピンクの領域について領有を主張しています(2014年9月現在)。





アルカイダ等の従来の過激派組織との違いは、「イスラム国」という名称からも分かるとおり国家の建国を宣言しているところで、シリア、イラクをはじめとするイスラム周辺諸国や欧米諸国には正式に承認されてはいませんが、すでに2014年6月29日に国家樹立を宣言しています。

また、自前の軍や政府、警察組織、裁判所等まで有し、むりやりに税金を徴収する、強奪するなど、非常に手荒な手法を用いて着々と勢力を広げ、国家としての体制を確立しつつあります。

奴隷制を肯定しており、異教徒を奴隷化することは正当だとしています。

現に、イラク北部に住む「ヤジディ教」という宗教の信者たちを奴隷化したことを、メディアを通して発表しています。

当然そのような行為を看過出来ないシリア軍、イラク軍と衝突していますが、その勢力は衰えるどころか強まる一方となっています。



上記のような勢力の拡大にともない、一般市民からの物資の略奪をはじめ、自爆テロなどによる虐殺などの残虐行為、異教徒や欧米人ジャーナリスト等を拉致監禁し、公開で処刑を行ってその動画をインターネット配信するなどの暴挙にも及んでいるため、強い警戒感から既に米軍主導による空爆が行われています。

「イスラム国」、7カ月で1900人処刑か 最多は市民 -朝日新聞デジタル 2015年1月31日
 英国を拠点とするNGO「シリア人権監視団」は31日までに、過激派組織「イスラム国」が昨年6月からの7カ月間に1900人以上を「処刑」と称して殺害したとする集計をウェブサイトで公表した。
 「イスラム国」は昨年6月、預言者ムハンマドの後継者である「カリフ」の率いる国家を樹立したと一方的に宣言した。「処刑」されたうち、最も多かったのが一般市民で、約1190人に及んだ。姦通(かんつう)や薬物使用が理由だったとされる。


半年で1900人処刑 イスラム国、残虐性を誇示 -産経ニュース 2015.12.29

 シリア人権監視団(英国)は28日、イスラム過激派「イスラム国」がカリフ(預言者ムハンマドの後継者)制国家の樹立を宣言した6月以降の半年間に、シリアで子供や女性を含む約1900人を「処刑」したとする集計を発表した。
 このうちシリア東部でイスラム国と対立したシャイタート部族の住民930人を含む約1200人が一般市民だった。処刑は銃殺や斬首により実施されたという。
 イスラム国は市民やアサド政権側の兵士らの他に、組織のメンバー120人も処刑した。殺害されたメンバーの大半は、いったん戦闘員としてイスラム国に加わりながらその後、自国に戻ろうとした外国人だった。
 イスラム国には「公開処刑」などにより残虐性を誇示し、支配地域の住民や敵対勢力に恐怖心を植え付ける狙いがあるとみられる。(共同)


イスラム国がサッカー・アジアカップを見たイラク人の若者13人を処刑- 新華ニュース 2015年1月21日
スペイン紙「エルムンド」の18日付報道によると、イスラム国は同性愛者と疑われる人物を高い建物の屋上から突き落として死亡させるなどしているが、今回はサッカー・アジアカップを見ていたとしてイラク人の若者13人を処刑し、また聖戦の戦場で積極的に応戦しなかったとして16人の戦闘隊員を死刑に処した。



外国人の受け入れについて

この「イスラム国」という組織は、主にシリア人で構成されていますが、インターネットのSNSを駆使し、世界約80カ国で外国人戦闘員の募集を行っており、各国から高額の給料で外国人を受け入れているという大きな特徴があります。

「イスラム国」はそのようなサイバー戦略のプロを抱えているようで、インターネット上での活動を精力的に行うことにより勢力を拡大しているという点でも、これまでのイスラム過激派とは一線を画す組織だといえるでしょう。

この呼びかけには、イスラム国の「残虐性」に「本物のイスラム」を感じ、その主張に共鳴した様々な人種、国籍の若者などが、中国やヨーロッパ、アメリカ、東南アジアなどから集結し、忠誠を誓い戦闘員として参加しているといいます。

その人数は1万2000人〜5000人規模に上るとみられ、うち9名の日本人が含まれているとの情報もあります。


イスラム国(IS)の資金源は? 拉致・誘拐による身代金の「相場」は?

それらの活動の資金源は、アメリカ財務省によると、油田を乗っ取ることで得た石油の密売で1日に100万ドル(約1億円)の資金を手にしており、また、各地での略奪や外国人を誘拐することで得た身代金も大きな資金源といわれてきました。

が、昨今原油価格の値下がりにより、石油の密売による資金繰りが難しくなっていることから、略奪や身代金での収入にシフトしてきているということです。

NHKの調べによりますと、2014年1年間に欧米人などを誘拐し、要求した誘拐による身代金の額は3500〜4500万ドル(41〜53億円超)に上るということです(2015年1月発表)。

同年に拉致された被害者(主にジャーナリスト)の人数は定かではありませんが、およそ30人前後と見られます。

単純計算しますと、人質一人当たりの身代金は、116〜150万ドルということになります。

この計算で行きますと、日本人の人質2名(湯川遥菜氏と後藤健二氏)に対する2億ドルという身代金は、かなり例外的で法外な額であることがわかります。

ちなみに、これまでフランス、スペイン、トルコなどの国が身代金の支払いに応じ、アメリカ、イギリスが支払い拒否の姿勢を貫いていますが、身代金を支払ったケースでは人質は無事に解放され、拒否したケースでは殺害されています。

【動画】日本人人質事件の真相はこちら




日本人参加者・関係者等について

日本人としては、北海道大学の男子学生(26)が、イスラム国(シリア)への渡航を企図し、私戦予備および陰謀の疑いで警察に逮捕されています。

この大学生は警察の調べに対し、

 「シリアに渡航し、イスラム国に加わり戦闘員として働くつもりだった」

 「就職活動がうまくいかなかったから」

 「どうせ1、2年後に自殺するから、シリアで死んでも変わらない」

 「イスラムに入信したがそれほど関心はない」

 「戦闘員になって戦うことになれば人を殺すつもりだ」


などと話しているということです。

この北大生がイスラム国への参加を目指すきっかけとなったのは、次のような張り紙なのだそうです。



この張り紙を東京神田の古書店で見かけ、興味を持ち、書店関係者の紹介で以下の写真の元大学教授、中田考氏(54)を紹介されたといいます。



警察から家宅捜索された中田考氏は、その後メディアの取材に対し、

「私はただ、彼らが現地でイスラム国の人と一緒に暮らして信頼を得て、そして世界への交渉役になってくれればと思っただけです」

と語っているそうです。


中田氏は、東大大学院卒のエリートで、イスラム国の要請により支配地域を何度も訪れ幹部との交流もあったと自身で述べていることからも、イスラム国の事情に精通しているものと思われます。

また、「処刑を行っているのはイスラム国に限らず、シリアでも首つりの処刑が行われている」など、イスラム国擁護の発言も見られています。

また、この北大生には「イスラム国に入るルートを紹介するつもりだった」という中田氏によれば、今後日本人の参加者は「増えるに違いない」とのことで、また、「日本にいて何かいいことがあるだろうか。毎年3万人も死んでいくような国。自殺するよりましだ。イスラム国」へ行けば、本当に貧しいが食べてはいける」などと発言しています。


また、2014年8月にシリア北部で「イスラム国」に拘束された湯川遥菜さん(42)の安否は未だに分かっていません。

こちらも心配です。


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