集団的自衛権とは? わかりやすく簡単に解説



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集団的自衛権の行使、メリットとデメリットは?





前提として

「集団的自衛権」の行使が可能になった場合のメリットとデメリットについて,具体的に考えて行く前に、まず、前提として抑えておかなければならない知識があります。

それは、「集団的自衛権」というものは、日本が国連から認められた「固有の権利」(当然の権利)であるということです。

国連は、すべての国連加盟国に対して
「個別的自衛権」「集団的自衛権」という2つの自衛権を認めています。

「個別的自衛権」とは、自国が不法な攻撃を受けた際に、自衛し反撃する当然の権利のことをいい、「集団的自衛権」とは、同盟国や親密な関係にある他国がどこかの国から不法な攻撃を受けた場合に、その被害国の要請によりその国を支援し、一緒に反撃する権利をいいます。

つまり、国連は、反撃する権利を当事国だけではなく同盟国にも与えているということになります。

これは考えてみれば当然で、そもそも「同盟」とはそのように、有事の際に協力するために結ばれるものでもあるからです。

また、もし仮に、国連が集団的自衛権を認めておらず、全加盟国が自国の軍事力だけで自国を護らなければならないのだとしたら、すべての国が軍事的に孤立してしまうことになり、必然的に軍事力の強さがそのまま国際社会での発言力の強さということになってしまいます。

つまり、
集団的自衛権は世界各国の団結を可能にし、各国の軍事力を結びつけることで、各国の孤立を防ぐという大きな役割を果たしているのです。


「集団的自衛権」とは、以上のように、国際秩序を維持するために国連によって認められた当然の権利なのですが、日本ではこれまで「憲法9条」との兼ね合いから、その
「当然の権利を行使できない」という解釈がなされてきました。

その憲法9条の解釈を、限定的にではあるものの「集団的自衛権は行使できる」という解釈に変更したのが、平成26年7月1日の安倍内閣による
閣議決定だったというわけです。



■デメリット

ではまず、デメリットから先に見て行きましょう。

デメリットはけっこう単純です。

いま現在の国際的な状況や我が国の同盟関係から考えますと、アメリカがどこかの国から攻撃を受けた際に起こる戦争に、戦地に自衛隊を派遣するというかたちで参加しなければならなくなる可能性が出てくる、ということに尽きるでしょう。

勘違いされている方がいらっしゃるかもしれませんが、アメリカが単独で勝手に始めた戦争には適用されません。

「アメリカがどこかの国から攻撃を受ける」という条件がついています。それから、集団的自衛権の行使には、アメリカが攻撃を受けた場合で、さらにアメリカからの支援の要請が必要となります。

日本は、アメリカなどの同盟国・友好国がどこかの国から不当な攻撃を受け、それらの国から支援の要請を受けることではじめて集団的自衛権を行使するかどうかという問題に直面することになります。


そして、もうひとつ勘違いしてはいけない点は、それらの攻撃を受けた国の要請により、集団的自衛権を「行使しなければならない」というわけではなく
「行使しない」という選択もありうるという点です。

これは、そのときどきに国会において判断されます

もちろん、アメリカの起こす戦争が、「無謀である」と判断した場合には、集団的自衛権の行使を見合わせることも考えられますし、そもそも、日本国民の世論が大きく反対に傾いている場合には、それを押し切るかたちで政権与党が集団的自衛権の行使を断行すれば、絶望的なまでに支持率が急落し、二度と与党に復帰できないまでに信を失うこととなるでしょう。

つまり、「アメリカの行う無謀な戦争」に加担しなければいけなくなる可能性は否定できませんが、それを国民が意志を示すことで食い止めることもできるということです。

また、国連加盟国は、どこの国も集団的自衛権を有しており、どこの国も「行使できる」という立場を採っている(「行使できない」という立場を採っているのは日本だけである)ことから、そのようなデメリット(リスク)はどこの国も負っていることだということを付け加えておきます。



■メリット

それでは、次にメリットです。

メリットについては様々な見方ができます。

これまでのように集団的自衛権を行使できない状況というのは、他国が第三国から武力攻撃を受けたときに、日本はその攻撃を受けた国からの要請があっても、集団的自衛権行使により自衛隊を派遣するなどの支援が出来ない状況ということになります。

そのような他国への支援をあらかじめ「行わない」と宣言しているわけですから、当然、日本がどこかの国から攻撃を受けたときには、支援はしてもらえないものと考えるのが自然です。

「日本はあなたの国が危機に瀕した際に力になれないが、日本が危機に瀕したときは犠牲を払ってでも助けて下さい」という理屈が通るほど世の中甘くありません。ですので、それは覚悟しなければならないでしょう。

しかし日本も集団的自衛権を「行使可能」とした場合には、まったく状況は異なるため、外交を有利に進めることができるようになります。

つまり、日本は集団的自衛権の行使を容認することで、周辺国間に様々な同盟や条約を交わすことが可能となるため、今までになかった大きな外交カードを手に入れることになります。

これにより、国際的な紛争を解決するための外交手段が増え、戦争を回避する可能性も広がります。

逆に、これまで日本は、「集団的自衛権は行使できない」との立場を貫いてきたわけですので、どれだけ外交上、危うく、不利な立場に立たされてきたかが分かります。


それから、日本が集団的自衛権の行使を容認した場合には、例えば、北朝鮮が韓国に武力攻撃を行ったとき、これまで日本は集団的自衛権を行使して韓国を援助することが出来ませんでしたが、それが可能となるため、北朝鮮は以前より韓国に無謀な攻撃をしにくくなります。

それは、中国が東南アジア諸国を攻撃した場合などにも言えるでしょう。

これまで、日本の軍備は他国間の
「抑止力」としては働いてきませんでしたが、集団的自衛権の行使を容認することで、他国間にも「抑止力」としての働きを持つことになります

そのため、他国は日本との友好関係をいっそう強固なものにしようとすることが想定されます。

特に、中国の脅威にさらされているアジア諸国との関係は親密で強固なものとなり、結果的にアジア諸国の団結力が強まって、地域の安定に繫がることにもなりそうです。

裏を返しますと、日本の集団的自衛権の行使を阻止しようとする国があるとすれば、それはそのように日本の軍備が抑止力としての働きを持つ状況がその国にとって好ましくない状況を招くと感じているのだとも言えるでしょう。(諸外国のうち中国と韓国だけが日本の集団的自衛権行使容認に難色を示しています)




■将来の展望

以上のようなメリット、デメリットがある集団的自衛権ですが、最後に「日本の将来の展望」として、少し違う観点から見てみたいと思います。

はじめに、集団的自衛権は、国連加盟国が孤立しないために必要な権利であることを述べました。

それから、デメリットは上述のように「アメリカの無謀な戦争に付き合わされる可能性がある」ということでした。


これまで集団的自衛権を容認してこなかった日本は、どこの国を助けることも出来なかった反面、どこの国からも助けてもらえない状況だったため、本来であれば国際社会で孤立しているはずでした。

ですが、実際には、戦後これまで、日本は軍事的に孤立してはいませんでした。

それは、アメリカとの間に安全保障条約を締結し、かろうじてアメリカが「有事の際には日本を助ける」という約束をしてくれていたからです。また、日本全国各地に米軍基地が存在していたことも大きな要因でしょう。

しかし、よく考えてみてください。

この状況は、裏を返せばアメリカの一存で日本は簡単に孤立してしまうということでもあるのです。

日本は戦後長きに渡ってアメリカに対し、要求を拒めない弱い立場に立たされてきました。

もうおわかりかと思いますが、日本がこれまで「アメリカ追従」を改められなかった、その原因の最たるものは、「集団的自衛権を容認しない」という方針であり、ひいては憲法9条の存在にあったということなのです。

アメリカによって憲法に盛り込まれた9条は、このようにして日本を実質的に孤立させ、そこにアメリカだけが同盟相手国として存在することによって「日本をアメリカの言いなりのままにしておくためのもの」であったというべきでしょう。


そして、上述のデメリットである「アメリカの無謀な戦争に付き合わされる可能性」というのもまた、アメリカ追従を改められないがゆえのデメリットということになります。

つまり、この、「日本がアメリカの一存で孤立してしまう状況」を打破しない限り、今後もアメリカの要求は拒めませんし、イラク戦争時に自衛隊をサマワへ派遣させられたように、集団的自衛権を行使出来ずとも自衛隊を戦地へ派遣させられることになるのです。


この状況を打破するためには、アメリカのご機嫌を伺い、米軍基地がなくては自国が守れないという状況を改め、最低限、自前の軍備で国防を完結し、さらにはアメリカ以外の友好国とも軍事的な結びつきを強める必要があります。

アメリカに頼らなくても自国を守れるようになって、はじめてアメリカの戦争参加の要求も断れるようになるのです。

そのような観点から見た場合、集団的自衛権の行使容認は、安全保障面でのアメリカ依存の解消にもつながり、将来的には自前の軍備を中心に、アジアの近隣諸国との同盟関係を機能させることによって自国の領土を守れるようにするための第一歩としても位置づけることもできるのではないでしょうか。


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