社会保険とは? わかりやすく簡単に解説

社会保険という言葉は、目にする機会が多いわりに、具体的に説明できる人は少ないのではないでしょうか。

ほとんどの人が社会保険に加入して保険料を払っているはずなのに、肝心の制度の内容を把握していないのでは知らないうちに損をしてしまってるかもしれません。

以下で社会保険制度の複雑な仕組みを、極力簡単にわかりやすく紹介していきます。

■社会保険とは? わかりやすく解説

社会保険とは国民の生活を保障するために国が定めている保険制度です。

民間の保険会社が運営する生命保険や損害保険などと大きく違う点は、一定の条件に当てはまる国民は加入を義務づけられているという点です。

社会保険は大きく以下の5つに分けられます。

年金保険・医療保険・介護保険・労災保険・雇用保険です。

一般に社会保険という時は前の3つ、年金保険・医療保険・介護保険を指すことがほとんどです。

では、1つずつ見て行くことにしましょう。

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■社会保険の分類

医療保険とは

「医療保険」は病気・怪我・出産・死亡の際に適用される保険です。

会社に所属する人は健康保険、自営業やパート・アルバイト、無職の人は国民健康保険に加入しなくてはいけません。

保険料を支払うと、ケガや病気で医療機関にかかった際、医療費が安くなります。

自治体により若干異なりますが、通常は「3割負担」、乳幼児や一部の高齢者は「0〜2割負担」となります。

(3割負担、2割負担、1割負担、0とは、医療費全体の30%、20%、10%、0%(無料)の料金を支払えば良い、という意味です。)

自治体によっては、乳児から中学を卒業するまでが医療費無料ということもあります。

日本では、年々保険料が高くなってきています。

年金保険とは

「年金保険」は老後の生活・死亡・障害に対して適用されます。会社員は厚生年金保険、自営業者などは国民年金保険に加入します。

保険料を支払うことで、一定の年齢に達した時点から、支払った保険料の額に応じて毎月年金が支給されます。

パートやアルバイトの方は、正社員並みの就業時間で働いている方は厚生年金に加入できます。正社員並みというのは、正社員の就業時間の3/4以上をいいます。

それ以下の方は国民年金になります。

年金保険については、少子高齢化の影響から、高齢者が増え、社会で働く世代の負担が年々増えており、保険料が上がっています。

今後制度が破綻するとか、いやそんなことはないとか、様々な意見があります。

介護保険とは

「介護保険」は2000年から施行された比較的新しい制度です。

老化や障害のため介護を必要とする人に適用される保険で、障害の程度に応じて訪問介護や介護用品のレンタルなどのサービスを受けることができます。

40歳以上の人は加入義務があります。

保険料を支払うと、老化などで介護が必要になった場合、訪問介護、在宅介護などのサービスが1割負担で受けられます。

雇用保険とは

「雇用保険」は失業した際に給付金を一定期間受け取ることができる一般求職者給付が有名です。

失業者が給付金で生活しながら支給期間中に新しい就職先を探せるよう支援するための制度で、一般的には「失業手当」「失業保険」と呼ばれています。

失業手当の他に教育訓練給付・育児休業給付・介護休業給付などがあり、いずれもやむを得ず休業せざるを得ない人の生活を保障することを目的としています。

基本的に会社員を対象とした保険なので、自営業者の場合加入義務は生じません。ただし一人でも人を雇った場合は雇用保険の加入対象となります。

労災保険とは

労災保険は就業中や通勤中に起きた事故などで負った怪我・障害・死亡に対し支払われる保険です。一時金や年金として受け取ることができ、本人が死亡した場合は遺族の生活援助も行います。

自営業者で、人を雇わず一人で仕事をしている場合は通常、労災保険に入ることはできません。しかし大工・とび職などの建設業、特殊な医薬品の販売事業、廃棄物処理の仕事など、危険性の高い業務に従事している人の場合は別で、特別に加入が認められます。

これらの社会保険は加入と保険料の支払が義務づけられているため損をしているように感じる人もいるかもしれませんが、いざという時に身を守ってくれる頼もしい仕組みでもあるのです。

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